クルーズ(2131)、12.5億インキュレ会社買収、サイト閉鎖後沈黙。50億買収→炎上謝罪DeNAの裏で
今般DeNAは、MARY、iemoを2社合わせて50億円という理論的に不可解な価格で買収後、インキュレーションメディア事業に進出した。
しかしながら、自称「医療メディア」Welq問題で大炎上の末、経営陣によって12月7日に謝罪会見が行われた。
その後、リクルート系などの同様の「メディア」も複数非公開に追い込まれ、例えばリクルートホールディングスは、上場企業として非公開に関する開示がなされた。
http://www.recruit.jp/news_data/notification/20161209_17081.html
一方、DeNAと類似した流れで、インキュレーションメディアベンチャー1社を12.5億円という、こちらも適正価格かどうかに首をかしげる価格で買収した上場企業がある。
クルーズ(2138)である。
同社は10月13日の取締役会において、インキュレーションメディアベンチャー「Candle」について12.5億円での買収を決議し、子会社化した。
http://crooz.co.jp/wp-content/uploads/2016/10/ed14aec4acf34d4c7910b8155411ccf5.pdf
その後、11月中下旬よりDeNAのWelq問題が社会問題化し、DeNA社はインキュレーションサイトを閉鎖、最終的に全非公開とした。
特に、医療情報という命にかかわるものを、専門家の裏付けをほとんど得ないまま、他媒体からの転載、果ては盗用といわれてもおかしくない方法で記事を大量生産していたことが世間の非難を浴び、DeNA経営陣による謝罪会見が12月7日に行われた。
一方、クルーズの対応はどうか。
買収したCandle社は、買収当時にはインキュレーションメディアとして「MARBLE」、「Healthil(ヘルシル)」、「JOYTRIP」、「carcast」、「Taspy」を運営していた。
ところが、12月に入った頃より、何の対外説明もなく、上記「メディア」のうち、「Healthil(ヘルシル)」、「JOYTRIP」が突然閉鎖されたのである。
http://dandy3.com/summary/14957/
特に、「Healthil(ヘルシル)」 はWelqと同様、「医療メディア」を自称していた。いわく、「Healthilは皆さまの健康を保つための情報が集まる、健康医療情報まとめメディアです。身体や心の悩み、育児や介護の悩み、男性・女性特有の悩み、薬や医療ニュース等、様々な情報をお届けします。」とのことであった。
また、MARBLEについては以下の声がネット上であがっている。
「運営元の株式会社キャンドルとかいう会社に二度メールでパクリ止めてと依頼しても無視。」
https://twitter.com/TheUSLife/status/744330966160662528?ref_src=twsrc%5Etfw
「株式会社Candleっていうとこのまとめサイトに、よく画像を無断転載される。
やめてくれと言っても無視するのが株式会社Candle。」
https://twitter.com/hiro_lantis/status/805926561207631874?ref_src=twsrc%5Etfw
また、これは推定になるが、創業間もないベンチャーへの12.5億円の買収金額の大部分はのれんと思われ、当初の事業計画を下回る見込みとなった場合にはのれんの帳簿価額を減額しなくてはならず、すなわち、減損による特別損失の計上(億円単位の可能性)のリスクが存在する。
DeNAが順次、本件に関するIR資料を開示し、経営トップによる謝罪会見を開き、第三者委員会の設置と全容解明、著作権問題の対応、被害者窓口の開設と対応している一方、一切の情報開示を行っていないクルーズは上場企業として大変な問題をはらんでいるのではないだろうか。